小麦製品のグルテンに関しての情報は前回掲載しましたが、
今回は、栄養以前の問題です。
国内で販売される小麦製品の約7割からモンサントの除草剤「グリホサート」検出
日本の小麦の自給率は約14%程度で、多くを米国、カナダ、オーストラリア、フランスなどからの輸入に頼っている状況です。
2020年~2021年にかけて「農民連食品分析センター」が日本国内で販売されている輸入した小麦粉やパン、パスタなど小麦製品の農薬残留検査を行ったところ、そのほとんどから農薬の成分グリホサートが検出されました。
一方、米国では市民団体が外食店を調査したところ、全ての店の商品からグリホサートが検出されました。日本でもおなじみのドミノピザやマクドナルド、サブウェイなどの商品からも検出されています。
グリホサートは2015年にWHOの専門機関(IARC=国際がん研究機関)によって発がん性物質に分類され,その後米国において3件の訴訟で非ホジキシリンパ腫の原因物質として認定されています。(※8月11日にはアメリカでモンサント側にラウンドアップ使用で末期がんになった男性に320億円の支払いを命じる評決が出ました。)
原産地が「米国」「カナダ」と表示された商品からはすべて検出
農民連食品分析センターがグリホサート残留検査を行ったのは、市販の小麦粉やパスタなど24商品、パン15商品。
検査した商品のうち、小麦粉類17商品中13商品、パスタやマカロニ4商品中3商品、シリアルやパン粉3商品中2商品からグリホサートが検出された。
◆遺伝子組み換え作物の栽培増加で、グリホサートの散布が増える
グリホサートは除草剤耐性の遺伝子組み換え作物で知られる農薬ラウンドアップの成分です。グリホサートに耐性を持つ遺伝子を導入された作物は、グリホサートを散布しても枯れず、雑草のみを枯らすため除草の手間がかかりません。
特に、遺伝子組み換え作物の栽培国である北米や南米各国では、水や人体からもグリホサートが検出されています。そのほか、出性異常や健康被害についての影響も報告されています。
◆小麦の汚染の原因は、乾燥材としての収穫前散布!?
しかし、小麦は遺伝子組み換え作物ではない。遺伝子組み換えではない小麦から、なぜ「米国産97%、カナダ産100%」ものグリホサートが検出されるのでしょうか。
その理由は、「他の作物を枯らせて、収穫を容易にする」ためです。
プレハーベスト
プレハーベストとは「小麦の収穫前に除草剤ラウンドアップを小麦畑に散布することで小麦を枯らし、収穫を容易にする」ことを言います。
プレハーベストは1980年代から行われているそうで、米国のデュラーム小麦の99%、春小麦の97%、冬小麦の61%に実施されていると言われています。
米国では収穫前に除草剤を散布することは「収穫前の雑草防除」として認可されており、農家はそれを「乾燥」と呼んでいます。
しかし消費者からみると、農家の作業をしやすくするためだけに除草剤を散布していることに驚きますよね。
小麦のグリホサート残留基準値は30ppm、それから見ると市販のパンの数値は0.05~0.23ppmと低く「問題はない」と思われるかもしれません。
しかし、パンやパスタなどの小麦製品は毎日食べる主食です。
そのことを考えると、量が少ないからと言って安全なのかには疑問が残ります。
気になる方は、国産の小麦を選びましょう。
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