鮭だけでなく、基本的に養殖の魚は混雑した狭い養殖場で育てられます。
そのため魚のストレスも高く、排泄物なども密集してしまうことから病原体も多く、水質汚染が指摘されています。
養殖業者は魚を見かけ上の健康を保つため、抗生物質などを含んだエサを与えたり。また、身を天然に近い健康的なピンク色にするため染料を混ぜたエサを与えられている養殖サーモンも多いです。
今日は、そんな養殖魚についてです。
ビタミンDの摂取にサーモンでも食べようかと考えている人は必見です。
ノルウェーの500倍以上の抗生物質使用量
チリは世界第2位のサーモン輸出大国として知られています。
それは主に日本に向けて輸出されてきています。
日本のスーパーでは、多くのチリ産のサーモンが販売されています。
しかし、チリに住むピーター・ハートマンは、
チリで養殖されたサーモンを絶対に食べないと言います。
なぜなら抗生物質を筆頭に、殺虫剤、防腐剤などを
過剰に使用する実態を目の当たりにしているからです。
チリのサーモンの養殖では、抗生物質を特に過剰に使用しています。
サーモン1tあたりで見ると、
世界第1位のサーモン生産国であるノルウェーの
500倍以上となる700.80gの抗生物質が使用されています。
海洋保全団体「オセアナ」のチリ支部は、裁判を起こしました。
それは、チリの水産局とサーモン養殖会社37社に対して、抗生物質の使用量の公開を要求する裁判でした。
これに勝訴したために、水産局とサーモン養殖会社は情報を公開しなくてはならなくなったのです。
オセアナ・チリ支部事務局長のヴァン・デル・メール氏は、業者が抗生物質の使用量を隠していた理由について、こうコメントしています。
「業者によっては、病気のコントロールのために他社の10倍もの抗生物質を使っているところがある。これが国際的に公になると、消費国の輸入基準に合わないことが明らかになると考えたためでしょう」
殺虫剤もノルウェーの5倍以上の使用量
以前にチリの地元の水産関連会社に勤務していた男性も次のように指摘しています。
チリの養殖サーモンに大きな被害を与えているは、SRSという魚の病気です。
このSRSに感染すると、出血したり腎臓や脾臓が腫れたりして、息絶えてしまう病気なのです。
ノルウェーでもこのSRSはありますが、ノルウェーではワクチンが開発されているのです。
しかし、チリではこのワクチンが開発されていないのです。
そのために、SRSになった初期に抗生物質を与えないと、サーモンが大量に死んでしまうのです。
さらに、チリのサーモン養殖では殺虫剤の投与も大きいと、この男性も語ります。
それは海ジラミという問題もあるのです。
海ジラミはサーモンの組織全体に影響を与えてしまう寄生虫です。
それを防ぐために、サーモンを養殖している間、ずっと殺虫剤を与えているのです。
こうした寄生虫への対策もあって、殺虫剤の使用量もチリがダントツで多くなっています。
サーモン1tあたりの平均使用量は、ノルウェーの5倍以上の27.92gとなっています。
どうしてチリ産サーモンだけが?
でも、どうしてチリのサーモンだけがこんなにも、殺虫剤が必要なのでしょうか?
その理由は、1970年代に国際協力事業団が、チリにサーモンの養殖技術を持ち込んだためだと思われます。
そもそもチリにサーモンは生息していませんでした。
本来、自然にサーモンが住み着かないような海域で養殖を行おうとしました。
そのためサーモンたちは寄生虫などへの免疫を持たず、大量の殺虫剤が必要となったのです。
こういった実情を知るチリの地元の人は、自分たちのサーモンを絶対に食べないそうです。
これは日本の農家でも、出荷用と自分たちが食べるものと分けて栽培しているのと同じですね。
栄養を学んでいる人であれば、ビタミンDといえばサーモンを思い浮かべる人も多いと思います。
しかし
安全にビタミンDを体内に取り入れるには、やはり日光浴による皮膚におけるビタミンD合成が一番の様です。
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