脳内の報酬系に直接働きかけてしまう砂糖の摂取は精神面にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
イギリスで行われた研究では、
食品とメンタルヘルスに関する複数のアンケート調査を実施したところ、甘い食品・飲料に含まれるテーブルシュガーの大量摂取とうつ病リスクの増加に関連性があることがわかりました。
その他の研究では、砂糖が脳内のさまざまな神経伝達物質に影響を及ぼす可能性があり、それらの神経伝達物質の受容体(特にドーパミン)が習慣的な砂糖摂取量の変化に関与していることが観察されました。
同研究では、砂糖の大量摂取とうつ病発症率の増加に関連性が見られたわけですが、うつ病が甘い食品への欲求や摂取の増加を引き起こす可能性があることも特筆すべきでしょう。
また、カリフォルニア大学の研究者が行った研究では、
スクロースとアスパルテーム由来の人工甘味料が比較されました。この研究では、スクロース含有飲料がストレスホルモンであるコルチゾールを抑制するというエビデンスが得られました。さらに、スクロースが、記憶、学習、情動反応・行動を司る脳の一部である海馬を活性化することも報告されました。
通常、ストレスを感じるとコルチゾールが放出され、食物から得たエネルギーを利用して闘争逃走反応(「戦うか逃げるか反応」とも)を起こすよう体に信号を送ります。
その時点で海馬は、このホルモンの放出を調節するよう体に働きかけます。同研究では、ストレスによるコルチゾール分泌を遅らせながら、この調節を阻害する糖の作用が示され、安心感と心地良さが示されました。これは、砂糖への欲求や、体や脳のストレスを減少させる砂糖の効果に関与していると見られ、ストレス下にある人が「心安らぐ食べ物」を求める欲求にも関連するようです。
つまり
砂糖に対する欲求や認識された必要性が高まると、特にストレスを受けやすい状況下や地域社会に住む人にとって、肥満などの慢性疾患リスクの増加につながるおそれがあります。
ストレスを感じる → 安心感のために甘い物を欲する
となります。
あなたが甘い物を欲してしまうのは、ストレスの影響かもしれません。
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