室内の空気や家具などを清潔に保つには、フィルターや換気、非毒性洗浄剤だけでは不十分です。対処療法にすぎません。
そもそも根本的に有害物質の蓄積を減らすことこそが真の解決策であり、予防医学の基本にして最高の手段でもあります。
室内に溜まった有害物質を減らすには、エビデンスに基づき、最も簡単で今すぐ実践できる生活習慣の修正が3つご紹介いたします。
予防策その1:家の中では土足厳禁
屋外で履いた靴底は、花粉・砂埃・ダニの死骸や糞など沈降ハウスダスト(SHD)の温床です。
SHDは、家庭内の主要な汚染源として科学文献で広く研究されているハウスダストの一種です。
床やカーペットに直に座ったまま長時間過ごす小さなお子さんは、SHDによる有害物質の一番の被害者です。
多環芳香族炭化水素(PAH)などの有害な化学物質の侵入と健康被害を未然に防ぐために、家族や訪問客には玄関で靴を脱いでもらいましょう。
これは海外の論文ですが、日本ではルームウェア、スリッパ洗濯・交換を意識しましょう。
また従来の日本家屋のように上がり框を設け、いろいろな意味で外界と室内を明確に分けておきましょう。
庭など屋外で裸足で過ごすことが多い方は、ドアのそばに非毒性の石鹸と水を置いておき、家に入る前に足を洗って乾かすと良いでしょう。
ペットにも同じことが言えます。玄関のドアの脇にペット用石鹸を用意しておき、庭や散歩に出た後、家に入る前に足を洗ってあげましょう。水で洗い流すだけでも、ある程度の効果は期待できます。
予防策その2:HEPAフィルター搭載の掃除機を使って賢く掃除
フーヴァーパラドックスをご存知でしょうか?
掃除機をかけることで、掃除機の排出気によってに蓄積していた沈降ハウスダスト(SHD)を空気中に舞い上げてしまったり、折角ノズルから吸い込んだ沈降ハウスダスト(SHD)が掃除機の排空孔から出てしまい意図せず室内の空気を汚してしまうというものです。
フーヴァーパラドックスを避けるためには、フィルターに信用が置けない掃除機の使用は避けるべきです。
また、ほこりを真っ先にHEPAフィルターで取り込むことで、ほこりが空気中に排出するのを防ぎます。
必要以上に沈降ハウスダスト(SHD)が空気中に放出し、呼吸時に吸い込む有害物質の量が増えないように注意が必要です。
予防策その3:寝る前にシャワーを浴び、週に一度はシーツやカーテンをお湯で洗う
洗濯ひとつで簡単に寝具周りの衛生状態を維持できます。
これで、アレルギー症状の原因となる花粉やダニの蓄積を防ぐことができます。さらに、外出先の有害物質がベッドに持ち込まれることもありません。言うまでもなく、体洗いにもシーツの洗濯にも、非毒性のボディソープや洗濯用洗剤を選ぶことが大切です。
また、仰向けで寝られるように、鼻呼吸も練習しましょう。
方法としては、
枕の高さを調節したり、舌のトレーニング、頚椎や噛み癖の調整、頬杖を止める、スマホの使用を制限する、猫背の調整など、様々な方法があります。
以上のヒントを参考にすれば、家の中に潜む有害物質を減らし、清潔で健康的な生活空間を保つことができるでしょう。
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