口臭に関して

大脳辺縁系は『怒り・恐れ・喜び・悲しみ』など、生物が生き延びるために必要な食欲性欲睡眠欲排泄欲など掌り、また死や痛みや恐怖からは逃走するという本能や、相手を捕食して殺して食べるというような殺戮という感情を担います。

ほ乳類では大脳新皮質というものがこの外側にあり『愛・慈しみ・仲間意識・育み・理性』などがありますが、臭覚はこの部位とは関係ないのです。

もっと原始的な固体や種の保存本能として認識されます。

そして、大脳辺縁系には先ほど示したような『怒り・恐れ・喜び・悲しみ』などいう原始的な情動を掌る『偏桃体』という部位があります。

偏桃体では、伝わってきた電気信号と情動とを関連付けて記憶させます。

つまり『怒り、恐れ、悲しみ』などは不快なので、これらの感情がある臭いは『臭い!』と認識され、『喜び』などは『いい臭い』と認識されます。

赤ちゃんは自分の便を最初は臭いと認識していません。

親が便を嫌がるのを見て自分も不快だと認識し、次第に便=不快と認識するようになるのです。

だから、犬の赤ちゃんなどが自分の便を食べたりすることがあるのです。

さて、自分の臭いが分からなくなる理由を最初に簡単に言いましたが、実は臭いそのものは、一度神経が興奮すると次の刺激を受け入れられなくなる、という性質があります。

これを純化、と言います。

つまり、臭いと一度認識してしまっても、常にその匂いを嗅いでいると『危険な臭い』と認識しなくなるのです。

口臭の原因

さて、口臭の原因ですが、胃腸などの消化器疾患や歯周病などの口腔内環境の悪化です。 ともに、唾液がしっかり出ていれば防げるものです。

健康な人は一々1.5~2リットルも唾液がでています。

ところが、咀嚼回数がすくないとだ液量は極端に減少します。

縄文時代では、1日に二万回以上咀嚼をしていましたが、戦後では1日5000回くらい、現代では酷い人になると300回くらいしか咀嚼しません。

唾液とは単なる液体ではないのです。アミラーゼという炭水化物を消化する酵素やIgA(免疫グロブリンA)という、善玉菌を認識して小腸などに定着させる免疫物質が含まれています。

つまり、咀嚼をしなければ、食物は分解されずに胃腸に負担をかけて消化器疾患になり、しかも善玉菌をいくら摂ってもIgAで認識しませんからヤク〇トなどをゴクゴク飲んでも腸には決して定着しないのです。

牛やラクダなどが反芻して胃から口に戻して咀嚼をしているのは、このIgAを食物に混ぜて善玉菌を増やすためなのです。

また、スマホをしすぎても口臭になりやすいのです。

スマホをすると交感神経が優位になり(つまり興奮状態になり)、だ液量が減少します。また、頭がさがるので唾液線を圧迫して物理的にも唾液が出にくくなります。

忙しいからハミガキをせずに家を出て、コンビニでかったゼリーなどの流込み飲料で噛まずに食事をすませ、スマホをみながら出勤する。キチンと咀嚼していない流込み飲料は本来は不快と認識するのに、これを続けている内に不快と認識しなくなるどころか、自分の口臭に『純化』して臭いがわからなくなる…。 こんなことは無いでしょうか?

写真の説明はありません。

関連記事

  1. 甘いものの暗い真実:子どもへの与え方が将来を左右する?

  2. 気象病 -水分-

  3. 鉄欠乏女子(テケジョ)と胃部不快(機能性ディスペプシア)

  4. 食品添加物の闇と驚愕の現実

  5. 断食と糖質制限に伴う、肌のエイジングケア

  6. 嗽津(そうつ)

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。