認知症やパーキンソン病に重大な影響を与える咀嚼回数の減少の問題パート②

パーキンソン病とは、指や上肢に振せんと呼ばれる震えの症状がでることが特徴で、下記の様に独特の4症状がでて、精神的な緊張で振せんは増強します。https://www.irs.jp/article/?p=374#:~:text=%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E7%97%85%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%81%A8,%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%8C%E7%8F%BE%E3%82%8C%E3%82%8B%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

・振戦・・・座っているとき、何もしていない時、寝ている時などに手足が小刻みに震える

・筋固縮・・・筋肉がこわばる

・無動、寡動・・・動きが鈍くなる

・姿勢反射障害・・・身体のバランスがとりにくくなる

少し専門的な話になりますが、

パーキソニズムは、錐体外路症状と言われる大脳皮質―大脳基底核ループの障害に由来する症状のひとつであり、錐体外路症状を呈する代表的疾患がパーキンソン病やレビー小体型認知症です。

錐体外路症状には抗精神病薬による薬剤性パーキンソニズムもあります。

錐体外路症状はパーキンソニズムだけでなく、ジスキネジア、アカシジア、ジストニアなどもあります。

もともと、ジスキネジアとは、口唇ジスキネジアを指していました。

口唇ジスキネジアとは

口唇ジスキネジアとは繰り返し唇をすぼめる、舌を左右に動かす、口をもぐもぐさせる、口を突き出す、歯を食いしばる、などの症状です。歯軋りなどはブラキシズムと言いますが、ブラキシズムの根本的な治療をするためには、錐体外路症状を理解していないと治療は不可能です。

その後、口唇ジスキネジアに伴い多くの動きを合併することが報告され、多くの動きを包括するものをジスキネジアと称したのです。

今では、多くの不随意運動を総称してジスキネジアというようになりました。

また抗精神病薬を長期使用すると、黒質線条体系においてドーパミン受容体の感受性が過剰となり、ドパミンの働きが過剰になります。抗精神病薬によってドパミンを遮断するはずが、長期間の使用により逆にドーパミンの働きが過剰になってしまうのです。したがって、ドパミンを補充しても、ドーパミンを遮断してもジスキネジアが現れてしまいます。 

次に、アカシジアです。 

アカシジアとは

アカシジアは静座不能のことで、じっと座っていられない症状です。

また強い不安焦燥感や内的不隠があり、静止を強いられると内的不隠が増強します。

強い不安焦燥感や内的不隠という精神症状を有していることから、その発生機序も黒質線条体系と関連する他の錐体外路症状とは異なり、中脳辺縁系や中脳皮質系のドパミン遮断作用が原因のひとつとして想定されています。

最後はジストニアです。 

ジストニアとは

ジストニアは筋肉の持続的な収縮により生じる不随意運動のことですで、姿勢異常や、全身あるいは身体の一部が捻れたり硬直、痙攣といった症状が現れます。

パーキンソン病は最終的には認知症状を伴うことが多い病気です。

これに対し、レビー小体型認知症は、初期症状としては幻視が非常に特徴的であり、症状が1日の中で、あるいは日によって変わる症状の動揺性とうことがレビ-小体型認知症の特徴です。

レビー小体型認知症では、最終的には、パーキンソン病の主症状である、手足のふるえ、筋肉のこわばり、ゆっくりとした動き、歩きづらさなどが発症し、両者ともに脳のレビ-小体に問題があるので、レビ-小体シンドロームといわれています。

パーキンソン病もレビ-小体型認知症も、初発症状は、なんと臭覚異常と便秘と寝言の3つからから始まります。 お子さんや、妻・夫など同居する家族に、臭覚異常と便秘と寝言の症状があれば要注意です。

そして、振せんなどの症状の10年から15年以上の前に臭覚異常と便秘と寝言が起こっているのです。

次回は、嗅覚障害と咀嚼の関係性に関してです。

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