薬物療法がパーキンソン病治療に欠かせない理由
簡単に言うと、脳内に十分なドーパミンがなければ、この記事の後半でお勧めする生活習慣の見直しが一切できないためです。
現在の医療において、医薬品がパーキンソン病治療の主軸となっているのは、不足したドーパミンを補うために不可欠とされているからです。
いかなる難病・膠原病でも発症する前であれば予防は可能です。しかし、発症すると根本治療は容易なことではありません。
医薬品をうまく併用し、自分らし生活を営みましょう。
脳と体におけるドーパミンの役割
ドーパミンは、屋外に出たり、健康的な食事を作ったり、運動をしたりする意欲を高める報酬系神経伝達物質であり、体の動きを調整するのにも役立ちます。
パーキンソン病患者は、ドーパミンが不足すると、抑うつ気分、無気力、倦怠感、振戦、平衡障害などの症状が現れる他、筋肉がこわばって動けなくなるという現象も見られます。
このような症状があると、ランニングはおろか、規則正しい服薬や(パーキンソン病の進行を抑えることが証明されている)植物性食材の買い出しといった日常習慣が、不可能ではないにしても難しくなることは想像に難くありません。
しかも、こうした症状により、サプリメントを摂取したり健康的な食品を食べることさえ困難になります。
なぜなら、ドーパミンが不足すると嚥下(えんげ)障害を引き起こし、食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなるためです。このことから、パーキンソン病対策として自然療法を試す前に、まずはドーパミン濃度が低下していないか確認することが先決です。
レボドパ(またはL-ドパ。商品名 Sinemet、Rytary、Duopa、レボドパ・カルビドパ合剤など)に代表されるドーパミン作動薬は、人体のドーパミンに最も近く、有効な製剤です。
実際に、立ち上がったり、足を前に一歩踏み出すことも、笑うことさえもできなかったパーキンソン病患者が、レボドパを初めて服用した数時間後に見違えるほど改善された例が報告されています。
ほとんどの神経科医やパーキンソン病専門医にとって、また、パーキンソン病患者にとっても、ドーパミン作動薬は有効な薬剤としています。
重要なのは、これらの薬剤を正しい用法用量で服用し、その効果を発揮できるように適切な栄養摂取を心がけることです。
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