常々述べているように、議論を行う際には『定義』と『歴史』を調べ、それを共通の土台として議論することが重要です。「吉備の国には小麦があって素麵があったから、江戸時代に小麦を食べていないのはウソだ‼」や「徳川家の将軍は天ぷらを食べていたから、江戸時代に小麦を食べていないというのはウソだ‼」といった批判がありますが、下記のデータを見れば庶民の食事の現実がわかります。
小麦の食事比率はほぼ0%
庶民の食事において小麦の消費はほぼゼロに等しかったのです。小麦は乾燥した気候でないと栽培できないため、江戸時代にはほとんど食べられていませんでした。現在のように品種改良されて北海道などで栽培できるようになったのは最近のことです。
一次資料の重要性
このような議論において、一次資料は非常に重要です。国立国会図書館にある明治政府が江戸時代の日本の農民の食生活を調査した『人民常食食事比例』は非常に貴重な資料です。この資料によれば、地域による差はあるものの、日本人は米を中心に食べ、雑穀や大麦、温暖な地域では芋を食べていたことが分かります。小麦の消費はほとんどなかったのです。
結論
つまり、繰り返し述べているように、戦後GHQによってPL480条により、日本人に小麦=パン食が習慣づけられたのです。日本人の定義はやはり『米を食べる人間』だったのです。
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