日本では、医者と言えば病気を治す人というイメージが一般的ですが、実は医者には3つのレベルがあります。この概念は、中国の最古の医学書『黄帝内経』に由来しています。
下医(かい)
まずは「下医(かい)」です。下医は臓器を治す医者です。例えば、歯が痛いときに歯を削って詰め物をする歯医者さんや、近眼のために眼鏡やコンタクトレンズを処方する眼科医がこれに当たります。臓器や特定の症状を直接治療するのが下医の仕事です。胃がんの摘出手術や白内障の治療なども、臓器の問題を直接解決するだけで、再発のリスクや原因を考慮しないため、下医に分類されます。
中医(ちゅうい)
次に「中医(ちゅうい)」です。中医は患者全体を見て、感情や生活環境を治す医者です。例えば、白内障の患者に対して、視力を回復させるだけでなく、その結果として患者が仕事や家庭生活で再び生き生きと過ごせるようにすることが中医の役割です。患者の全体的な健康と幸福を目指す医者です。目の手術によって視力が回復し、患者が再びトラック運転手として働けるようになることで、その家族も幸福になるような治療を行う医者が中医です。
上医(じょうい)
最後に「上医(じょうい)」です。上医は原因を除去する医者です。例えば、食生活が原因で発症する病気に対して、その食生活を改善することで病気を予防する医者です。上医は病気の根本原因を見つけ出し、それを取り除くことで、病気自体を予防します。これは、未病治療という考え方で、病気になる前に予防することを重視します。例えば、目の病気の原因となる不健康な食生活を改善することで、病気の進行を防ぎ、家族全体が健康的な生活を送れるようにすることが上医の仕事です。
上医の考え方を政治や社会に取り入れることで、日本全体をより良くすることができると私は考えています。医療費の削減だけでなく、経済や教育の問題にも上医の視点を活かすことで、根本的な解決が可能です。
多くの師匠に教わったこの考え方。日本の病を治すために、上医、中医、下医の考え方をぜひ広めていきたいと思っています。
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