今回は「病院がない方が国民は長生きできるのか」というテーマについてお話しします。
夕張市の事例
まず、夕張市の例を挙げます。夕張市はかつて炭鉱で有名な都市でした。炭鉱の閉鎖後、市は遊園地や夕張メロンの栽培などで新たな経済基盤を築こうとしましたが、バブル崩壊後の経済悪化により、財政破綻に追い込まれました。市立病院も閉鎖され、市民は大きな不安を抱えました。
しかし、病院が閉鎖された後、夕張市は「病気にならないようにする」「大きな病気になったら早期に札幌市などの大病院に移動する」という新たな医療体制を整えました。結果として、1人当たりの医療費が減少し、さらに市民の寿命も延びたのです。
医療費の削減
具体的なデータを見てみましょう。平成17年には、夕張市の1人当たりの年間医療費は83.9万円でした。病院閉鎖後の平成19年には、72.4万円まで減少しました。現在、夕張市の1人当たり医療費は79.7万円であり、北海道全体の86万円と比較しても低い水準にあります。
未病治療の重要性
このような結果が出た背景には、「未病治療」の考え方があります。未病治療とは、病気になる前の段階で異常を発見し、早期に対処することです。予防と治療の間に位置し、病気の初期段階での介入が重要です。
夕張市では、病院がなくなったことで、市民が自ら健康管理を徹底し、未病治療を実践するようになりました。この結果、医療費の削減と寿命の延伸が実現したのです。
教育と啓発の必要性
夕張市の事例から学べるのは、医療費削減や寿命延伸には、未病治療を進めることが有効であるということです。これを実現するためには、教育と啓発が重要です。学校教育や職場の健康診断などを通じて、未病治療の概念を広めることが求められます。
まとめ
病院がなくなったから医療費が減り、寿命が延びたのではなく、未病治療を実践する環境が整ったためにこの結果が得られました。日本全体でも、未病治療を推進することで、医療費の削減と国民の健康増進が期待できます。
これからも、このチャンネルを通じて未病治療についての情報を発信していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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