睡眠障害について

今回は「睡眠障害」についてお話しさせていただきます。

現代社会の睡眠障害

多くの人が眠れない、眠りが浅い、寝付きが悪いと感じています。そして、熟睡できないと感じる人々が外来に訪れます。最もひどいケースでは、睡眠薬を依頼してくる人もいます。睡眠障害がなぜ起こるのかを、東洋医学の観点から説明します。

東洋医学での睡眠の考え方

東洋医学では、実は「睡眠障害」という概念が存在しません。人間の成長と共に、睡眠パターンが変わるのは自然なことと考えられています。赤ちゃんが頻繁に寝たり起きたりするのは当たり前であり、成長するにつれて睡眠時間やパターンも変わります。

人生の段階に応じた睡眠パターン

  1. 赤ちゃん(0-3歳): 頻繁に寝たり起きたりします。
  2. 幼児期(3-6歳): 昼寝を2回程度取り、夜もしっかり眠ります。
  3. 学童期(6-18歳): 一日8時間から10時間程度の睡眠が一般的です。
  4. 成人期(18-50歳): 一日8時間程度の睡眠が続きます。
  5. 中年期(50-65歳): 睡眠が浅くなり、中途覚醒が増えます。
  6. 高齢期(65歳以上): 睡眠時間が短くなり、頻繁に目が覚めるようになります。

老化と睡眠の関係

年を取ると、睡眠時間が短くなり、眠りが浅くなるのは自然な現象です。これは、昔の生活様式を考えれば理解しやすいです。大家族で生活していた時代では、祖父母が赤ちゃんの世話をする役割を担っていました。彼らは夜中に何度も目を覚まして赤ちゃんの世話をしていました。これは、人間の自然な生活リズムの一部と考えられています。

体内時計と太陽のリズム

人間の体内時計は、太陽の光を基準にして調整されます。特に朝日のオレンジ色の光を見ることで、一日のリズムが整います。これは、朝日に含まれる特定の波長の光が、体内時計をリセットする役割を果たすからです。

生活リズムの重要性

適切な睡眠を取るためには、以下の点に注意することが重要です:

  1. 朝日を見る: 起床後に朝日を見ることで、体内時計をリセットします。
  2. 規則正しい生活: 毎日同じ時間に起床し、同じ時間に寝ることを心がけます。
  3. 適切な食事: インスタント食品やトランス脂肪酸を避け、バランスの取れた食事を心がけます。
  4. 電子機器の使用を控える: 寝る前にスマートフォンやパソコンの使用を避け、青い光を見ないようにします。

実際のケース

松本市から来た30歳の女性が、睡眠障害に悩んでいました。彼は夜遅くまで眠れず、昼過ぎまで寝ている生活を続けていました。このようなケースでは、朝日を見ることや規則正しい生活を送ることが解決策となりました。

まとめ

睡眠障害の多くは、生活リズムや食生活の改善で解決することができます。自然のリズムに従った生活を心がけることで、健全な睡眠が得られるようになります。

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