良質な脂質の重要性については今まで触れてきました。
MCTオイルの話も挙げたところで今回は体に取り込んでしまった悪い脂質の話です。
食毒を入れないことも重要ですが、今度はどうやってその毒を出していくかについてお話ししていきましょう。
解毒について考えるには、まず、昔からある毒と、現代にしかない毒の違いについて知っておく必要があります。
ひと言でいうと、現代の毒は「脂肪に溜まる」のです。
昔からある毒、たとえば感染症や有害金属などは血液や腸に問題を起こします。一方、食品添加物や農薬、薬、トランス脂肪酸など、現代に特有の毒の多くは石油性製品であり、「脂溶性毒」――つまり油に溶けるものばかりなのです。
脂溶性毒は体のなかに入ると脂肪にとけ込み、どんどんたまっていきます。
そして血液中に出たり入ったりしながら全身をめぐり、じわじわと体を蝕んでいくのです。脂溶性毒が恐ろしいのは、脳までおかしてしまうこと。
人間の脳はほとんどが脂肪なので、脂溶性毒の害をもろに受けてしまうのです。また神経系や細胞膜にも、脂溶性毒は容赦なく入り込んでいきます。
脂肪に溜まった毒を解毒するには、脂肪を入れ替えるしかありません。
ロボットのメンテナンスで汚れたエンジンオイルを変えるように、毒で汚れた脂肪をまず取り除き、きれいな脂肪を入れるようにすればいいのです。
人間の体は水と脂肪でできており、相互作用があります。
したがって脂肪を入れ替えることは、有害金属など血液に溶ける毒の解毒にも有効です。
健康になるには、健康にいいものを体に入れること。
ただその前に、今に至るまでためてきてしまった毒を抜かないことには、いいものを入れても意味がありません。
農薬も食品添加物も薬も、すべて出し方は一緒です。まず毒を抜いて、いいものを入れていく。これで、さんざん毒された体の中も徐々にきれいになっていくでしょう。
これまで溜めてきてしまった脂溶性毒を取り除くのは、容易ではないかもしれませんが、脂溶性毒を抜くには、汗をかくのがもっとも効果的です。
なかでも強力なのは、低温サウナです。脂溶性毒の排出のほか、血流促進、免疫力などの効果が期待できます。
強制的にたくさん汗をかくので、脂溶性毒だけでなく、有害金属や放射性物質の排出にも効果的です。
大事なのは低温という点。よく銭湯などにある一般的なサウナだと、温度が高すぎて長く入っていられません。
また、高温で急激に体が熱くなると、出る汗は水分が中心となり、肝心の脂肪の入れ替えができません。
脂肪に溜まった毒を抜くには、時間をかけて、じんわりと汗をかくのがもっとも効果的なのです。
そうすると脂肪が燃えて、脂肪にたまっていた毒が汗と一緒に排出されます。実際、低温サウナに入ったあとのヘロイン中毒者の汗には、ヘロインが含まれているというデータもあります。
それほど即効性のある解毒方法といっていいでしょう。
最近は、スーパー銭湯など大型の施設だと、いくつか種類の違うサウナが設置されているところもあります。よく見るフィンランド式サウナは高温サウナですが、スチームサウナやミストサウナなら低温サウナと同様の効果が得られるでしょう。
フィンランド式サウナが悪いわけではなく、フィンランド式サウナには別の効用があります。薬石浴や溶岩浴や岩盤浴、酵素風呂や砂風呂でも一定の効果を得ることが出来ます。現代においては毒を100%避けるのはムリなので、デトックスでリフレッシュすることも必要ですね。
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